暦の上では立秋から秋が始まり、処暑になると、厳しかった暑さも少しずつ落ち着いていく頃とされています。
けれど、8月の終わりはまだまだ暑い季節。
昼間には強い日差しが降り注ぎ、蝉の声が聞こえ、木々には夏の濃い緑が残っています。
それでも、朝夕に吹く風や少しずつ短くなる日、夜に聞こえてくる虫の声に、ふと秋の気配と共に、少し物悲しい気持ちになる時期です。
そんな夏と秋の間にある処暑に合わせたい日本の伝統色は、麦藁色(むぎわらいろ)です。
【二十四節気】処暑とはどんな季節? 8月23日~9月7日頃
「処暑」の「処」には、とどまる、落ち着くという意味があります。
【二十四節気】処暑(しょしょ)は、夏の暑さが峠を越え、少しずつおさまり始める頃。
8月下旬には残暑の厳しい日もあり、まだ夏の装いで過ごす日が続きますが、夕方になる時間が少し早くなったり、朝の空気が昨日までとは少し違って感じられたり。
自然の中には次の季節へ向かう小さな変化が現れ始めます。
夏を楽しみながら、ほんの少し先にある秋にも目を向けてみる。
【二十四節気】処暑(しょしょ)は、そんな季節なのかもしれません。
【二十四節気】処暑に合わせたい「麦藁色」
麦藁色は、乾燥した麦の藁を思わせる、やわらかな黄褐色です。
「麦藁」と聞くと、初夏の麦畑を思い浮かべる方もいるでしょう。
けれど私は、麦藁色にはもうひとつ、夏の終わりにも似合う表情があるように感じます。
それが、麦藁帽子です。
夏の初めに取り出した麦藁帽子。
強い日差しの日にも、庭仕事をするときにも、夏のお出かけにも活躍してくれます。
そして8月の終わり。
まだ日差しは強く、麦藁帽子の出番も続いていますが、夏の初めにかぶったときとは、周りの景色も日の傾き方も少し違っています。
ひと夏を一緒に過ごしてきた麦藁帽子を眺めると、夏が少しずつ終わりへ向かっていることを感じることがあります。
そんな夏の記憶をたっぷり含んだような麦藁色が、私は処暑によく似合うと思うのです。
夏の光も少しずつ変わっていく
真夏の太陽は、頭の上から強い光を降り注ぎますが、【二十四節気】処暑を迎える頃になると、まだ強い日差しの中にも、少しずつ季節の変化が現れてきます。
夕方の光が長く伸びるようになり、草木に当たる日の色も、どこかやわらかく感じられることがあります。
青々とした夏草に、麦藁色のような温かな光が差し込む景色。
そこには夏の生命力と、これからやってくる秋の気配が一緒にあります。
麦藁色は、夏の名残をあたたかく包んでくれる色。
そんなふうに眺めてみるのも素敵ですね。
【二十四節気】処暑(しょしょ)の七十二候
【二十四節気】処暑の約15日間も、自然の変化に合わせて三つの七十二候に分けられています。
初候 綿柎開(わたのはなしべひらく)
8月23日頃から。
綿の実を包んでいた部分が開き、中から白い綿毛が姿を現す頃です。
ふっくらとした白い綿が顔を出す様子は、植物が実りの時を迎えたことを感じさせてくれます。
次候 天地始粛(てんち はじめて さむし)
8月28日頃から。
「粛」には、静まる、落ち着くといった意味があります。
夏の勢いが少しずつ落ち着き、天地の暑さもやわらいでいく頃を表しています。
日中には暑さが残っていても、朝夕の風や空の様子に、少しずつ秋を感じるようになります。
末候 禾乃登(こくもの すなわち みのる)
9月2日頃から。
「禾(のぎ)」は、稲などの穀物を表す言葉です。
田んぼでは稲が実り、穂が少しずつ頭を垂れる頃。
夏の日差しをたっぷり受けて育った植物たちが、実りの季節を迎えていきます。
処暑の三つの候を並べてみると、
綿が開き、暑さが落ち着き、穀物が実る。
夏の盛りから、少しずつ実りの秋へ向かっていく自然の様子が見えてきます。
【二十四節気】処暑の季節を心地よく過ごす
【二十四節気】処暑を迎えても、残暑の厳しい日は続きます。
水分をとり、冷房も上手に使いながら、暑さに合わせた暮らしを続けたい時期です。
その一方で、朝夕には少しずつ過ごしやすい時間も増えてきます。
夕方に外へ出て風を感じたり、少し傾いた太陽に照らされた草木を眺めたり、夜の虫の声に耳を澄ませたりして、小さな変化に気づくことも、季節とともに暮らす楽しみのひとつです。
【二十四節気】処暑におすすめのハーブ
レモングラス
まだ暑さが残る処暑には、爽やかな香りのレモングラスがよく似合います。
すっきりとした香りのハーブティーは、暑い午後の気分転換にもおすすめです。
温かくしても冷たくしても楽しめるので、その日の気温に合わせて飲み方を変えることができます。
ローズヒップ
夏から秋へ向かう頃に取り入れたいハーブのひとつです。
鮮やかな赤色とほどよい酸味があり、ハイビスカスなどと合わせてもおいしく楽しめます。
季節の変わり目に、少しずつ秋を感じるハーブティーへ切り替えていくのもいいですね。
【二十四節気】処暑におすすめのアロマ
ベルガモット精油
柑橘の爽やかさの中に、やわらかな落ち着きを感じるベルガモット。
夏の明るさと、秋へ向かう穏やかさの両方を感じさせる香りで、処暑によく似合います。
サンダルウッド精油
静かで深みのある木の香りです。
夏の終わりの夕暮れに、ゆったりと香りを楽しみたいときにおすすめです。
ベルガモットと少量のサンダルウッドを組み合わせれば、爽やかさの中に少し深みが加わり、夏から秋へ向かう季節を香りでも楽しめます。
おわりに
【二十四節気】処暑(しょしょ)は、まだ夏の景色をたっぷり残しながら、少しずつ秋へ向かっていく季節です。
そして、この季節に重ねたいのが麦藁色。
麦藁帽子は夏の初めから活躍します。
真夏の強い日差しを一緒に過ごし、8月の終わりにも、まだ私たちを太陽から守ってくれています。
同じ麦藁帽子なのに、夏の初めと夏の終わりでは、どこか違って見える。
それはきっと、周りの光や風、そして私たちが感じる季節が少しずつ変わっているからなのでしょう。
麦藁帽子をかぶって外へ出る日が、今年あと何日あるでしょう。
そんなことを思いながら、残り少なくなっていく夏の時間も、大切に味わっていきたいですね。
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