【七十二候】の第三十五候は、寒蝉鳴(ひぐらし なく)です。
「寒蝉」と書いて、ここではヒグラシを表します。
夏の夕暮れ、「カナカナカナ……」と森や林から聞こえてくるヒグラシの声。どこか懐かしく、少し涼しさを感じさせるその声に、秋の気配を感じる頃です。
この季節に合わせたい日本の伝統色は、薄花色(うすはないろ)です。
淡くやさしい青紫色に、夏から秋へ移りゆく空の色を重ねてみました。
【七十二候】寒蝉鳴とはどんな季節? 8月13日~8月17日頃
【七十二候】寒蝉鳴(ひぐらし なく)は、【二十四節気】立秋の次候にあたります。
暦の上では秋を迎えていますが、8月半ばはまだ暑さの厳しい季節です。
昼間にはセミの声が響き、強い日差しが降り注ぎます。
そして夕方になると、少しずつ光がやわらぎ、木々の間から「カナカナカナ……」というヒグラシの声が聞こえてきます。
ヒグラシは、日の出前や夕暮れなど、光が弱くなる時間帯によく鳴きます。
そのためでしょうか。
ヒグラシの声を聞くと、夏の日が静かに暮れていく情景が自然と浮かんできます。
ヒグラシの声に感じる季節の移ろい
真夏のセミというと、ミンミンゼミやアブラゼミの力強い鳴き声を思い浮かべる方も多いでしょう。
ヒグラシの声には、それとはまた違った趣があります。
遠くから響いてくる「カナカナ」という声。
木々の間を通り抜ける夕方の風。
少しずつ傾いていく太陽。
一日の終わりとともに、夏という季節も少しずつ次へ向かっていることを感じさせてくれます。
昔の人たちも、こうした自然の音に耳を澄ませながら季節を感じ取っていたのでしょう。
七十二候には、目で見る景色とともに、耳で感じる季節も残されているのですね。
薄花色が映す夏の夕暮れ
薄花色(うすはないろ)は、花色を淡くした、やさしい青紫色です。
花色は藍染めから生まれる色の一つで、その色を薄くした薄花色には、澄んだ青の中にやわらかさがあります。
真昼の鮮やかな青空から、少しずつ光がやわらいでいく夕方。
空の青に淡い紫が重なり始める時間には、薄花色を思わせる美しい色合いが見られることがあります。
ヒグラシの声が響く夕暮れに、この静かな青紫色を重ねると、「寒蝉鳴」という季節がより印象深く感じられます。
【七十二候】寒蝉鳴の季節を心地よく過ごす
立秋を過ぎても、日中は厳しい暑さが続きます。
夕方になったら、少しだけ外の空気に触れてみるのもこの季節の楽しみです。
日が傾いた空を眺めたり、木々を揺らす風を感じたり、虫の声に耳を澄ませたり。
ほんの数分でも、自然の中には季節が動いていることを教えてくれるものがたくさんあります。
夏の疲れも出やすい頃ですから、夜はゆっくりと過ごし、体を休める時間も大切にしたいですね。
【七十二候】寒蝉鳴におすすめのハーブ
レモンバーム
やさしいレモンの香りを持つレモンバームは、夕方から夜にかけてゆったり過ごしたいときにおすすめのハーブです。
温かいハーブティーにすると、ほっとひと息つく時間によく似合います。
リンデン
やさしく甘い香りを持つリンデンも、静かな夜を過ごしたいときに楽しみたいハーブです。
一日の終わりに、ヒグラシの声を聞きながら味わうハーブティーも素敵ですね。
【七十二候】寒蝉鳴におすすめのアロマ
ラベンダー精油
穏やかなフローラルの香りは、夕暮れから夜へ向かう静かな時間によく合います。
一日の終わりに香らせて、ゆっくり深呼吸する時間をつくるのもおすすめです。
フランキンセンス精油
落ち着きのある深い香りを持つフランキンセンス。
夏のにぎやかな一日が終わり、静かな夜へと移っていく時間に似合う香りです。
おわりに
【七十二候】寒蝉鳴は、ヒグラシの声を通して秋の気配を感じる季節です。
日中には夏の強い日差しが残り、夕方になると光がやわらぎ、風や虫の声に少しずつ季節の変化が現れます。
そんな時間の空に重ねたいのが、薄花色。
淡い青紫色には、夏の名残と、これから訪れる秋の静けさが一緒に溶け込んでいるように感じます。
夕暮れにヒグラシの声が聞こえてきたら、ほんの少し立ち止まって空を見上げてみませんか。
七十二候に名前を残した昔の人たちと同じように、耳を澄ませて季節を感じる時間も、日本の夏の素敵な楽しみ方だと思います。
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