【七十二候】鴻雁来 : 10月8日〜10月12日頃
】二十四節気】寒露の初候、【七十二候】鴻雁来(こうがんきたる)は、北の空から雁(かり)などの冬鳥が日本へ渡ってくるころ。
「鴻雁(こうがん)」とは大きな雁のことで、古くから人々はこの鳥の姿を、秋の終わりと冬のはじまりをつなぐ季節の目印としていました。
雁の列が空を渡る光景は、自然のリズムの正確さを感じさせるもの。
人もまた、日々の暮らしの中で少しずつ「次の季節」に心を整えていくときです。
季節に重なる伝統色「焦香(こがれこう)」 ― 羽根と大地を結ぶ色
焦香は、灰色を帯びた落ち着いた茶色。
雁の羽根や、秋の大地を思わせる、柔らかな温もりのある色です。
秋の夕暮れ、雁の群れが空を渡っていく姿を想像してみます。
夕日に照らされた大地と、遠くへ飛んでいく雁たち。
焦香の落ち着いた色合いは、そんな秋の風景にもよく似合います。
季節と体の調和
秋が深まるにつれて、朝晩の冷え込みが強くなり、空気の乾燥も気になり始めます。
一日の寒暖差が大きいこの季節は、体調の変化にも気を配りたいですね。
中医学では、秋は「肺」と関わりが深い季節と考えられています。
ここでいう「肺」は、呼吸だけでなく、皮膚や鼻などの働きとも関係する、中医学独自の考え方です。
秋の養生では、乾燥から体を守り、潤いを保つことが大切にされています。
毎日の暮らしで意識したいこと
- こまめに水分をとり、温かい飲み物も楽しむ
- 汁物や煮物など、水分を含んだ食事を取り入れる
- 朝晩の冷え込みに合わせて衣服を調節する
- 夜はゆっくりお風呂に入り、十分な睡眠をとる
秋に取り入れたい食材
中医学では、季節や体質に合わせて食材を選ぶことも養生のひとつです。
- ナシ・レンコン・大根:秋の乾燥が気になる季節に、潤いを意識して取り入れたい食材
- 白ごま:中医学では、体に潤いを補う食材として親しまれています
- さつまいも・かぼちゃ:中医学では「脾胃」の働きを助け、気を補う食材とされています
旬の食材を楽しみながら、体をいたわる時間を持ちたいですね。
季節のハーブとアロマの提案
ハーブ
秋の夜長には、温かいハーブティーを楽しむ時間もおすすめです。
- マシュマロウ:根には粘液質が豊富に含まれ、伝統的に喉の乾燥や刺激を和らげる目的で利用されてきたハーブ。穏やかな味わいが特徴です。
- タイム:すっきりとした芳香を持つハーブ。古くから料理やハーブティーに利用され、スープなどに加えると豊かな香りを楽しめます。
- エキナセア:北米原産の植物で、伝統的に健康維持のために利用されてきました。風邪の予防効果については研究が続けられており、十分に確立されているわけではありません。
エキナセアはキク科の植物です。キク科植物にアレルギーのある方は注意が必要です。
アロマ
秋の静かな時間には、樹木や樹脂の温かみを感じる香りがよく似合います。
- フランキンセンス:樹脂から得られる、深みのある落ち着いた香り。静かな時間を過ごしたいときに。
- ベンゾイン(安息香):バニラを思わせる甘く温かな香り。秋の夜に、ほっとひと息つきたいときに。
- ティートリー:清涼感のある、すっきりとした香り。気分を切り替えたいときに。
一日の終わりには、フランキンセンスやベンゾインの香りを芳香浴で楽しんでみるのもよいですね。
照明を少し落とし、好きな香りを感じながら、ゆっくりと過ごす時間。
秋の夜長だからこそ、自分のための静かなひとときを大切にしたいものです。
※精油は適切な方法で使用し、換気にも気を配りましょう。体調や香りへの感受性に合わせて、無理のない範囲で楽しんでください。
ママへのセルフケアのヒント
子どもが寝静まったあと、家の中に残る静けさが少し寂しく感じられる夜。
そんな時は、温かいハーブティーを両手で包んで、今日いちにち頑張った自分に「ありがとう」と言葉をかけてあげてください。
焦香のような深みのある秋は、頑張りすぎず“立ち止まる勇気”を教えてくれる季節。
息を整え、灯りを落とし、静かに過ごす時間が、心をふたたび温めてくれます。
まとめ
鴻雁来は、季節が静かに冬へと向かい始める合図。
焦香のように深く穏やかなトーンをまとう秋の空気の中で、自分のリズムを取り戻していきましょう。
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