歴と自然

【七十二候】禾乃登(こくもの すなわち みのる)と山吹色(やまぶきいろ)の季節

※このブログ記事でご紹介しているタロットカードの意味や解釈は、筆者自身の経験と直感に基づくものです。また、本ページ掲載のイラストはAI生成ツールにより作成したオリジナル作品です。
はちみつ
はちみつ
9月に入りました。
暦を見ると、【七十二候】は禾乃登(こくもの すなわち みのる)の頃を迎えています。
【二十四節気】では処暑(しょしょ)の最後の候です。
9月と聞くと秋を思い浮かべますが、外へ出てみるとまだまだ暑いですね。
昼間の日差しは強く、木々も青々としています。空を見上げれば、夏を思わせる大きな雲が浮かんでいる日もあります。
でも、田んぼを眺めてみると、少し前とは景色が変わってきました。
青々としていた稲に穂がつき、穂についた籾の中では少しずつお米が育ち始めています。
よく見ると、緑の中に黄色も混ざり始めています。
今回、そんな【七十二候】禾乃登の季節に合わせたのは山吹色(やまぶきいろ)です。
まだ夏の緑が残る田んぼの中に見つける、温かな黄色。
今回は山吹色と一緒に、少しずつ実りへ向かっていく季節を眺めてみたいと思います。

禾乃登って、どんな季節? 9月2日~9月7日頃

禾乃登は、【二十四節気】処暑の最後にあたる七十二候です。

「禾(のぎ)」という字は、普段あまり使わないですよね。
禾は、稲や麦など、穂をつける穀物を表す言葉です。
そして「登」には、穀物が成熟する、実るという意味があります。

つまり禾乃登は、「稲などの穀物が実り始める頃」ということ。
春に田植えをした田んぼでは、夏の強い日差しを浴びながら稲が育ってきました。
最初は小さかった苗がぐんぐん伸びて、青々とした田んぼになり、やがて穂が出てきます。
そして今、その穂の中に実が入り始めています。
実が充実して重くなるにつれて、稲穂は少しずつ頭を垂れていきます。
毎日見ていると気づかないくらい、ゆっくりした変化です。
でも、少し前の田んぼを思い出してみると、
「あれ? ずいぶん色が変わってきたな」
と感じることがあります。

禾乃登は、そんな変化に気づかせてくれる季節なのかもしれません。

「禾」という文字をよく見てみると

ところで「禾」という漢字。
よく見てみると、一本の茎の先に穂がついて、少し垂れているようにも見えませんか?
禾は、穂をつけた穀物の姿から生まれた象形文字とされています。
普段「禾」という字だけを書く機会は少ないのですが、実は身近な漢字の中にもあります。
たとえば、「稲」
左側に禾があります。

そして、「秋」にも禾が入っています。
秋という季節と、稲や穀物の実り。

昔からこの二つは、とても深くつながっていたのでしょうね。

今は一年中さまざまな食べ物を買うことができますが、昔の人にとって、穀物が無事に実ることは暮らしそのものに関わる大切なことだったはずです。

そう考えると「禾乃登」という短い言葉の中にも、自然とともに暮らしてきた人たちの思いが感じられる気がします。

田んぼは少しずつ色を変えていく

【七十二節気】禾乃登は9月初め。
この頃の田んぼは、まだまだ緑がきれいです。
秋の田んぼというと、一面に黄金色の稲穂が広がる景色を思い浮かべますが、そこまで色づくにはもう少し時間があります。
今は、その途中。
緑の葉の間に、黄色くなり始めた稲穂が見えています。
この「途中の色」も、とてもきれいなんですよね。
緑だった田んぼの中に黄色が少し混ざり、その黄色が日に日に増えていく。
そして気がつくと、田んぼ全体が実りの色になっている。

七十二候を意識するようになると、こうした季節の途中の景色にも目が向くようになります。
完成した秋の景色を待つ時間も、季節の一部なんですね。

禾乃登に合わせたい「山吹色」

今回選んだのは、山吹色(やまぶきいろ)です。
山吹の花から生まれた、明るく温かみのある黄色です。

山吹といえば春に咲く花なのですが、色として眺めてみると、9月初めの稲穂にもよく似合います。

まだ緑の残る田んぼの中で、少しずつ黄色くなってきた稲穂。
そこに太陽の光が当たると、ふっと山吹色に見える瞬間があります。
春には花の中にあった色が、季節を巡って、今度は実り始めた稲穂の中に現れる。
そう考えると、なんだか素敵ですよね。

山吹色には、太陽の光を思わせるような明るさもあります。
夏の間、たっぷりと太陽を浴びて育ってきた稲。

その光が、今度は実りの色になって現れているようにも感じます。

【二十四節気】処暑の七十二候を振り返ってみると

ここで、【二十四節気】処暑の三つの【七十二候】を振り返ってみましょう。

初候 綿柎開(わたのはなしべひらく)

綿の実が開いて、中からふっくらとした綿毛が姿を現す頃です。

この候では、綿の柔らかな色から生成色を選びました。

次候 天地始粛(てんち はじめて さむし)

夏の勢いが、少しずつ静まり始める頃。

まだ暑さの残る8月末の夕空に、薄葡萄色を重ねました。

末候 禾乃登(こくもの すなわち みのる)

そして今回の禾乃登。

田んぼでは稲に実が入り、緑の中に少しずつ黄色が見え始めます。
合わせた色は山吹色です。

生成色、薄葡萄、山吹色。
色だけを並べてみても、処暑の約15日間の景色が少しずつ変わってきたことを感じます。

七十二候はほんの数日ごとに移り変わっていくので、「もう次の候?」と思うこともあります。
でも自然も、それくらい少しずつ変化しているんですよね。

「実る」までには時間がある

「実る」という言葉を聞くと、私はその前にある長い時間のことも考えます。
種を蒔いて、芽が出て、葉が伸びる。
雨の日があって、暑い日があって、それでも少しずつ育っていく。
そして、ようやく実ができる。
稲穂を見ていると、今見えている実りは、今日突然できたものではないことがよくわかります。

私たちの毎日にも、そんなことがあるような気がします。
少しずつ続けていること。
すぐには結果が見えないこと。
自分ではあまり変わっていないと思っていたこと。

そんなものも、あるとき振り返ってみると、「思っていたより進んでいたんだ」と気づくことがあります。

稲穂を見ながら、自分の中で今、少しずつ育っているものは何だろう。
そんなことを考えてみるのもいいかもしれません。

【七十二候】禾乃登の頃に楽しみたいハーブ

ローズヒップ

今回の「実り」というテーマから、まず思い浮かぶのがローズヒップです。
バラの花が終わったあとにできる赤い実。ほどよい酸味があり、ハイビスカスなどと合わせてもおいしくいただけます。
まだ暑さの残る日は冷たくして、少し涼しい夜には温かくして。その日の気温に合わせて楽しむのもいいですね。

フェンネル

フェンネルも、この季節に目を向けてみたいハーブです。
葉も利用できますが、ハーブティーやスパイスとして種子(果実)も使われます。
甘く爽やかな香りがあり、食後のお茶としても親しまれています。夏は花や葉に目が向いていた植物も、これから少しずつ実や種の季節へ。
ハーブを眺めていても、季節の変化を感じられます。

【七十二候】禾乃登の頃に楽しみたいアロマ

ベルガモット

まだ暑い9月初めには、爽やかな柑橘の香りが心地よく感じられます。
ベルガモットには柑橘らしい明るさがありながら、どこか穏やかな印象もあります。
夏から秋へ向かう今の季節に合わせやすい香りです。

フランキンセンス

夜には、少し深みのあるフランキンセンスの香りもいいですね。
日が暮れる時間が少しずつ早くなり、家で過ごす夜の時間も長くなっていきます。
ベルガモットの爽やかさにフランキンセンスを少し合わせると、夏の名残と秋の落ち着きを一緒に感じられる香りになりそうです。

おわりに

【七十二候】禾乃登
9月に入っても、外にはまだ夏の暑さが残っています。
それでも田んぼへ目を向けると、稲には実が入り、少しずつ頭を垂れ始めています。
緑の中には、黄色も増えてきました。

今回、その色に重ねたのが山吹色です。

春には山吹の花の中に見つけた黄色。
秋へ向かう今は、実り始めた稲穂の中に同じような色を見つけることができます。

田んぼ一面が黄金色になるのは、もう少し先。
今だから見られるのは、緑と黄色が一緒にある景色です。
次に田んぼのそばを通ったときには、少しだけ稲穂を眺めてみようと思います。
昨日より少し黄色くなっているかな。
少し頭が下がってきたかな。

そんな小さな変化を見つけながら、今年も実りの季節を迎えていきたいですね。


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