— 春へと力を蓄える、冬の深い休息のとき —
冬が本格的にやってくる兆しを見せる【二十四節気】大雪。
その後に訪れる次の【七十二候】が 熊蟄穴(くまあなにこもる) です。
熊が冬眠のために穴にこもるように、自然界の多くの命が“外の世界”へ顔を見せなくなる頃。
風の音は静かに遠くなり、光は低く、日々のリズムはゆったりと沈んでいきます。
【七十二候】熊蟄穴とは 2025年12月12日~16日
【七十二候】熊蟄穴(くまあなにこもる)は、その名の通り、熊が穴にこもるように、命は静かに身を隠し始めます。
古来の自然観では、動物や植物が外界の活動を止めるこの時期は、「外の世界の刺激をシャットアウトして、内へ向かう季節」と捉えられてきました。
冬の冷たい空気は、わたしたちの体だけでなく、感情や思考にも深く影響します。
忙しさを少し手放し、内側の声を聴く余裕を取り戻すこと──
それもこの季節から学べる大切なことです。
季節に重なる伝統色「濃鼠(こいねず)」
この候に寄り添う色は、静かで深い 濃鼠(こいねず)。
黒に近い重みのある灰色で、冬の「深い休息」「内側へ引く力」を象徴します。
濃鼠(こいねず)は…
- 見た目は控えめでも、存在感のある静けさ
- ゆっくりと内面を育む時間
- 心と体を外へ急かさないやわらかさ
そんな“冬の深み”を教えてくれる色です。
静かな部屋で、濃鼠のような影色の空気を感じながら、ゆったりと過ごすひとときは、ただ休むだけでなく、春へ向けて力を蓄える時間そのもの なのかもしれません。
冬の静けさが伝えるもの
濃鼠の季節は、ただ暗いとか寒いというだけではありません。
むしろ、静けさの中にこそ光がある と教えてくれます。
濃鼠は、主張しないのに存在が安らぎになる色。
それは、冬の空の陰影や、夜の深み、時には炎の小さな揺らぎに寄り添う影を表します。
外の世界がざわついている時ほど、濃鼠のような穏やかな時間が必要になる。
その静けさは、ただの暗さではなく、内なる力を育む育成の時間なのです。
熊蟄穴の季節に寄り添う暮らし方
🍵 1. 暮らしの光をやわらかくする
日が短くなるこの頃、照明を暖色にしてゆったり過ごすと、濃鼠色の季節の静けさがやさしく感じられます。
☕ 2. 深呼吸の時間を意識する
ゆっくりと呼吸をすることは、体の芯に“余白”をつくることと同じ。
静かさを味わいながら呼吸を整えると、心がふっと軽くなるのを感じられます。
📖 3. 今日は何もしない、を予定に入れてみる
忙しさの中で“何もしない時間”をつくることは、春に向けて力を蓄える大切な準備です。
意図的に余白をつくることで、心も体もリズムを取り戻します。
おわりに
熊蟄穴は、外界の喧騒から離れて、内側に力を戻す季節。
濃鼠という色が教えてくれるのは、季節の静けさに身を沈めるゆるやかな勇気。
休むことは、怠けることではありません。
それは、次の季節へ進むためのエネルギーを育てることなのです。
日々の忙しさが続く中でも、ほんの少し静かな時間を自分に贈ってみてください。
濃鼠の冬が、あなたの心と体をふんわりと包んでくれるはずです。
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