タロット×植物の深読み

Curandera of Earth × Sweetgrass|桜餅の香りが教えてくれる“植物の祈り”

🌿植物と心をつなぐ深読みの時間へようこそ

《Herbcrafter’s Tarot》の「Curandera of Earth(地のクランデラ)」に描かれている植物は、スウィートグラス(Hierochloe odorata)
バニラのように甘くてやさしい香りは、「母なる大地の髪」とも呼ばれ、北米先住民の間では神聖な祈りの植物として愛されてきました。

でも実はこの香り、日本人にとっては “桜餅の葉っぱの香り” にとても近いのです。

🌼この記事を読んで得られること

  • スウィートグラスの香りのしくみと文化的背景が深く理解できます
  • 桜餅の香りとスピリチュアルな共通性に気づき、自分の感性を磨くヒントになります
  • クマリンを含む精油を活かしたアロマクラフトやリチュアルが楽しめます

🌸スウィートグラスと桜餅、香りをめぐる意外な共通点

桜餅の葉に使われるのは、大島桜(オオシマザクラ)
葉を塩漬けにすることで、あの独特の甘い香りが生まれます。
その香りの正体は、「クマリン(Coumarin)」という天然成分。

興味深いのは、生の葉を嗅いでも香りはしないという点。
葉が塩漬けになったり、手でもんで傷がつくことで、葉の中の2つの成分が反応し、クマリンが生まれます。

スウィートグラスも同じ。
乾燥させたり編んだりすることで香りが生まれ、空間をやさしく包み込むのです。

香りは、植物が最後にそっと残してくれた「祈り」そのもの。
生きている間には放たれず、命を終えたときにはじめて生まれる──。
それは、どこか “死と再生” を思わせる、静かな循環の象徴です。

🧙‍♀️Curandera of Earthのメッセージ

地のクランデラは、スウィートグラスを編みながら歌い、祈り、感謝を捧げます。
三つ編みにされたスウィートグラスは、愛・健康・豊かさをつなぐ象徴。
彼女の姿は、自然の恵みを分かち合うことの大切さを、やさしく語りかけてくれます。

香りが生まれるのは、植物が手放されたあと。
だからこそその香りは、「過去の美しい記憶」と私たちを静かに結びつけてくれるのです。

🍃対応するアロマ:クマリンを含む精油たち

スウィートグラスのような“甘く深い香り”は、以下のようなクマリン系の精油で体感できます。

クマリンを含む代表的な精油:

精油名香りの特徴備考
トンカビーンズ(Tonka Bean)バニラに似た濃厚な甘さクマリンを最も多く含む
ベンゾイン(Benzoin)甘くバルサミック、バニラ系安息香。グラウンディングにも
スタイラックス(Styrax)濃厚でややスモーキーな甘さ焚香のような重厚さ
ヘリオトロープ(Heliotrope)パウダリーで杏仁のような香り天然は希少。合成香料で用いられることも
シナモンリーフ(Cinnamon Leaf)スパイシーで甘い微量ながらクマリン含有(注意して使用)

香りの使い方アイデア:

  1. スウィートグラスの代替として、トンカビーンズとベンゾインをブレンドした芳香スプレーを作る
  2. 内観ワークや感謝の儀式の前に、甘い香りを空間に満たして、心を落ち着ける
  3. 桜餅の香りをイメージしたアロマストーンなどを玄関に置いて、“帰る場所”を香りで表現

🌿Sweetgrass Blessing Spray

―香りで“ありがとう”を届けるスウィートグラス風アロマスプレー―

🔸香りのテーマ

母なる大地のような包容力、
編まれた祈りのような静けさ、
そして、春の記憶を呼び起こすやさしい甘さ。

🧪材料(50mlスプレーボトル1本分)

材料分量備考
無水エタノール5ml精油を溶かすためのベース
精製水(または芳香蒸留水)45ml肌に優しいものを選んでください
精油A:トンカビーンズ精油(Tonka Bean)2滴クマリンの主成分。甘くパウダリー
精油B:ベンゾイン精油(Benzoin)3滴バニラのような濃厚さ。香りの持続力も◎
精油C:オレンジ・スイート(Sweet Orange)3滴明るさと親しみを加えるトップノート
精油D(任意):ラベンダー(Lavender)2滴優しさと調和をプラス(心の安定感)

※合計約10滴(濃度1%以下)

🌸作り方

  1. スプレーボトルに無水エタノール5mlを入れる
  2. 精油をすべて加えて、よく混ぜる
  3. 最後に精製水45mlを加えてふたをし、よく振る
  4. 使用前にも軽く振ってからスプレーする

🌸使い方のアイデア

  1. 朝、庭に出る前や仕事前の心の浄化スプレーとして
  2. 家の入口や玄関、部屋の四隅にスプレーして、空間の祈りと整えに
  3. タロットリーディングやクラフトワーク前のリチュアル・スプレーとして
  4. 家族との時間の前に、やさしさを呼び戻す香りとして

🔔注意点

  • トンカビーンズは香りが強いので、少量から調整を。
  • クマリンは過剰に摂取すると肝毒性がありますが、アロマとして使用する程度では問題ありません。
  • 直射日光・高温を避けて保管し、1〜2か月以内を目安に使い切ってください。

✨こんなときにおすすめ

  • 過去をやさしく見つめ直したいとき
  • 誰かに「ありがとう」と言いたいけど、言葉にならないとき
  • 自分の心を“地に足つけて”整えたいとき

🌿クマリンを含む代表的な精油一覧

精油名クマリン含有量香りの特徴備考
トンカビーンズ(Tonka Bean)非常に多い(主成分)甘くパウダリー、バニラに似た香りクマリン精油の代表格。手作業で採取される高価な香料
ベンゾイン(Benzoin)少量(含有)濃厚なバニラ・キャラメル系安息香。香りに厚みを出す基材としても人気
スタイラックス(Styrax)少量スモーキーで甘く、樹脂香強め古代の薫香で使われた香り。重いので他の香りとブレンド向き
ヘリオトロープ(Heliotrope)※合成が主流クマリン様香気を含むアーモンドや杏仁豆腐のような香り天然では稀。パフューム用の合成香料が一般的
シナモンリーフ(Cinnamon Leaf)微量スパイシーでほんのり甘いクマリン含有はごくわずか/刺激が強いので注意
クラリセージ(Clary Sage)微量温かみのある甘い草っぽさクマリンに似た甘みを持つが、直接的ではない
ラベンダー(Lavender)微量フローラルで優しい香り少量のクマリン含有が確認されている種類もあり(特に真正ラベンダー)

🔍補足:クマリン含有の注意点

  1. クマリンは天然物としては香りづけにすぐれた成分ですが、摂取や過剰使用には注意が必要です(肝毒性が報告されています)。
  2. アロマテラピーで使われる量では芳香浴や空間スプレーなら問題なしですが、経口摂取や過剰な皮膚塗布は避けましょう
  3. ベンゾインやトンカビーンズは粘度が高く、ディフューザーで使用する際は希釈またはブレンド必須です。

🌸香りの印象で“クマリン調”を楽しめる精油(含有なしでも)

以下の精油は、クマリンそのものを含んでいない場合でも、「甘く穏やかでパウダリーな香り」という点でスウィートグラスや桜餅の香りに似た印象を持ちます。

精油名香りの印象クマリンは非含有だが代替可能
バニラ(Vanilla Oleoresin)甘く濃厚/安定感のある香りトンカビーンズと合わせて深みが出る
ローズウッド(Rosewood)ほのかに甘く、やさしい明るい香りにやわらかさを加える
パルマローザ(Palmarosa)フローラル・ややバニラ調軽やかさと女性性を表現
ミモザ(Mimosa Absolute)パウダリーで優雅心をほどくような深い香り

✨クマリンの香りを活かす調香のヒント

  • トンカビーンズ+ベンゾイン+オレンジ=スウィートグラスや桜餅風のやさしい香り
  • クマリン+シトラス(明るさ)or フローラル(優雅さ)で、季節感や心のテーマに合わせた調香が可能
  • 香りで「ありがとう」を届ける祈りのブレンドや、「手放す儀式」の香りに最適

🌿クマリンの【心】への作用(精神面)

🍃1. リラックス・鎮静作用

  1. 甘くやわらかい香りは、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
  2. 緊張・イライラ・不安・怒りなどの高ぶった感情を落ち着かせる作用があります。
  3. 特に、自己肯定感が下がっているときや、誰かに「ありがとう」と言いたいけど言えないときに、心をやさしく開いてくれます。

🍃2. 懐かしさや安心感を呼び起こす

  1. 桜餅や母の香りなど、“記憶に結びついた香り”として、心に深い癒しをもたらします。
  2. トラウマや悲しみを手放すサポートとして、回想・再生・統合のプロセスを助けてくれます。

🍃3. グラウンディング・安定

  1. 重めの甘い香りは、地に足をつける感覚=グラウンディング効果もあり、「自分の内に戻る」感覚を促します。

🌿クマリンの【体】への作用(身体面)

🍃1. 血液・リンパの流れを促進

  • クマリンには血行促進作用があり、古くから浮腫(むくみ)の軽減静脈のうっ血改善に使われてきました。
  • ドイツでは、医薬品としてクマリン誘導体が静脈瘤やリンパ浮腫の治療に使われています。

🍃2. 抗菌・防腐作用

  • クマリンは天然の抗菌成分でもあり、腐敗や感染を防ぐ働きがあります。
  • この性質から、植物自身が虫害や菌から身を守るために生成する成分でもあります。

🍃3. 筋肉のこわばり・痙攣の緩和(軽度)

  • 鎮痙作用(筋肉の緊張を緩める)もあるとされ、肩こりや緊張性の頭痛の緩和にも。

⚠️注意点:クマリンの摂取について

  • クマリンは大量に摂取すると、肝臓に負担がかかる可能性があります。
  • 日常のアロマ使用(芳香浴、空間スプレー、香水)で問題になることはほとんどありませんが、経口摂取や高濃度使用は避けましょう
  • 妊娠中・授乳中・小さなお子さまには使用を控えるか、専門家にご相談を。

✨クマリンはこんなときにおすすめ

  • 🌸「ありがとう」を伝えたいけど言葉にならないとき
  • 🌿春のようなやさしさをまといたいとき
  • 🧘‍♀️深く呼吸して、心を静めたい夜
  • 💧むくみが気になるとき、循環を整えたいとき
  • 🌕儀式や内観ワーク、感謝の祈りの香りとして

💫香りは植物の祈り、そして記憶の入り口

スウィートグラスと桜餅の葉。
どちらも、植物が“命の営みを終えたあと”に初めて立ち上る香りです。

それは私たちに、「手放すことで香りが生まれる」「命は循環し、記憶となる」という真理を教えてくれているのかもしれません。

あなたが今、心に抱いている「ありがとう」を、香りとともに空へ届けてみてください。


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