ハーブの象徴的意味、神話、歴史、文化

Nine of Air × POMEGRANATE | ザクロと神話から学ぶ“悲しみの受容”

生きていると、つらいことに出会うことがあります。
心が押しつぶされそうになって、「もう無理…」と感じる日もあるかもしれません。

誰にも話せないこと。
誰にも理解されない気がして、胸にしまい込んだままの思い。

そんなあなたに、ギリシャ神話のある母と娘の物語をお届けします。
それは「喪失のあとにも、必ず春が訪れる」という深いメッセージを秘めています。

🌿 こんなあなたに読んでほしい

  • ・誰にも話せない悲しみを、ずっとひとりで抱えている方
  • ・笑顔の裏で、心がぽっかりと空いてしまったように感じている方
  • ・「もう大丈夫」と自分に言い聞かせながら、本当はまだ癒えていないと気づいている方
  • ・大切な人や、大切な何かを失い、その喪失感とどう向き合えばいいのかわからない方
  • ・前を向こうとしているけれど、どうしても足が止まってしまう方
  • ・子どもの前では頑張れても、夜になると涙が出てしまうママ

このブログは、そんなあなたにそっと寄り添うために書きました。

つらい気持ちを、無理に手放さなくても大丈夫。
悲しみは、あなたがそれだけ「大切に想っていた証」です。

ザクロの神話は教えてくれます。
「冬のような時期」にも意味があり、その奥には、再び芽吹く春の力が眠っているのだと。

このページが、あなたにとってほんの少しでも「心がほどける時間」となりますように。

🌸 母デメテルと娘ペルセポネ ― 喪失からはじまる神話

デメテルは、豊穣と農耕を司る女神。
大地に緑をもたらす存在でありながら、彼女の心はとても繊細でした。

最愛の娘ペルセポネが、ある日突然、冥界の神ハデスに連れ去られてしまったのです。

嘆きにくれるデメテルは、すべての仕事を放棄します。
草木は枯れ、作物は育たず、世界は荒れ果てていきました。

やがて娘は戻ってきますが、冥界で食べたザクロの種のせいで、
ペルセポネは一年のうち数か月を冥界で過ごさなければならなくなります。

この神話は、四季のはじまりの神話とも言われ、ペルセポネが地上にいるときに春と夏が訪れ、冥界にいる間は秋と冬が訪れる――
そんな季節の循環を生んだと伝えられています。

🍷 ザクロが象徴する「痛みと成熟」

この物語のカギとなる果実が「ザクロ」です。

ペルセポネが口にしたザクロの種は、魂の通過儀礼であり、子どもから大人へと変わる「痛みを伴う変容」の象徴でもあります。

人は誰しも、思いがけず大切なものを失ったり、受け入れたくない現実を前に立ち尽くしたりします。

でも、そうした体験のなかにこそ、自分の人生を深く生きるための種が含まれているのかもしれません。

🌀 悲しみは、押し込めなくていい

「つらいことは、なかったことにしよう」
「もう終わったことだから、前を向かなきゃ」

そう言い聞かせようとしても、心がついてこないときってありますよね。

悲しみは、急いで癒そうとしなくてもいいのです。
デメテルが悲しみに身を任せ、大地が休息の季節に入ったように、心にも「冬」があっていい。

無理に明るくふるまわず、「今はただ悲しいんだな」と、そっと抱きしめてあげる。

それだけでも、きっとあなたの心は少しずつ癒されていきます。

✨ Nine of Air × ザクロのメッセージ

《Herbcrafter’s Tarot》の「Nine of Air(風の9)」に描かれたザクロのカードには、こんなメッセージが込められています。

「あなたは空。ほかのすべては天気にすぎません」
─ ペマ・チョドロン

悲しみ、怒り、不安。
それらは、空を流れていく雲のようなもの。
たとえ一時的に視界をふさがれても、あなたという“空”そのものは、けっして消えないのです。

🌱 春は、ちゃんとやってくる

つらくて、投げ出したくなることもあるでしょう。
でも、多かれ少なかれ、人はみな、喜びも悲しみも経験しながら生きているのです。

ザクロの神話が教えてくれるのは、
「悲しみを受け入れることは、自分の人生に根を張ること」
「そして、必ず再び春はやってくる」ということ。

今、もしあなたが「冬のような時期」を過ごしていたとしても、
それは春へと向かうための準備かもしれません。

どうか、自分の悲しみを否定せずに、大切にしてあげてくださいね。

🍃 この記事を読んでくださったあなたへ

よければ、あなたの悲しみをそっと紙に書いてみませんか?
ザクロの果汁のような赤いペンで、一言でもいいのです。

あなたの悲しみは、あなたの人生の一部であり、やがて“ちがう色”の実りをもたらしてくれるかもしれません。

🌑 内観ワーク|悲しみとともに過ごす時間

✒️ ワークの前に

できれば静かな場所で、お気に入りのハーブティーを用意して。
赤いペン(ザクロの果汁のような色)や、日記帳を用意して始めてください。

🪞 書き出してみましょう|問いかけと対話

  1. 私は今、何に対して悲しみを感じているのでしょうか?
     - できるだけ正直に。誰にも見せなくていいので、素直に書いてみてください。
  2. 「本当は、こうしたかった」という思いはありますか?
  3. その出来事を思い出すと、体のどこが反応しますか?
     - 胸が締めつけられる、喉が詰まる、胃が痛むなど
  4. もしもその悲しみに、名前をつけるとしたら?
  5. 悲しんでいる自分に、ひとこと優しい言葉をかけてみましょう。
     - 例:「よくがんばってきたね」「まだ癒えなくても大丈夫だよ」など

💬 書いたあとに

感情があふれてきたら、泣いても構いません。
書いた内容を見返す必要はありません。
そっと閉じて、深呼吸をして、「今ここにいる自分」をただ感じてみてください。

🌿 ハーブ&アロマのセルフケア提案

🍵 ハーブティー|心を落ち着かせるブレンド

ザクロの神話と相性のよい、“受容と癒し”のブレンドティーをどうぞ。

🔸おすすめブレンド

  • ローズ(愛・自己受容)
  • リンデン(神経をやさしく鎮める)
  • ザクロジュース 少量(内なる成熟と女性性の象徴)

※ザクロジュースを少しブレンドティーに垂らすと、
 美しい赤が広がり、「心の痛みが癒されていく」ビジュアル的な癒しにもなります。

🌸 アロマ|悲しみに寄り添う香り

💧おすすめ精油とテーマ

精油キーワード心への作用
ローズオットー深い愛、自己受容悲しみで硬くなった心をほぐす
フランキンセンス呼吸・魂・祈り深い癒しと静けさ、内なる統合
ベルガモット光を取り戻す落ち込んだ気持ちを明るい方向へ
サンダルウッド静寂・グラウンディング悲しみに耐える力を育てる

🌬 アロマスプレー簡単レシピ(10mlスプレーボトル用)

  • 無水エタノール:2ml
  • 精油:合計5滴程度(ローズ2滴、フランキンセンス2滴、ベルガモット1滴 など)
  • 精製水:8ml

朝・夜の深呼吸タイムや、内観ワークの前にひと吹きしてみてください。

🕯 最後にひとこと

悲しみは「取り除くべきもの」ではありません。
ザクロの種が冥界への扉となったように、悲しみは魂の深みに触れる“通過儀礼”なのかもしれません。

どうか、急がずに。
あなたの“冬”が過ぎたとき、必ず“春”はやってきます。


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