何かに迷って、苦しくて、でも誰にも言えなくて。
そんな夜、心の奥底から「この先、私はどうなるんだろう」と思ってしまうこと、ありますよね。
だけど、そんな夜に見上げる星空が、どこか懐かしく、あたたかく感じられることがあります。
それはきっと、「道はあるよ」「大丈夫だよ」と、星が静かに語りかけてくれているのかもしれません。
星と航海|星を頼りにたどり着いた島、八丈島
江戸時代、羅針盤がなかった時代の船乗りたちは、星の位置や月の出、潮の流れを頼りに航海していました。
なかでも八丈島は、遠く海に囲まれた孤島。
流刑地でもあり、また、風に乗って思わぬ形で人々がたどり着いた場所でもありました。
船乗りたちは、星の配列や明るさを読み取り、星座と季節の変化を結びつけて航路を見出していたのです。
夜の闇の中でも、北極星や昴(すばる)などは航海の目印になりました。
そんな八丈島で出会ったのが、「明日葉」という植物。
今日摘んでも、明日にはまた新しい芽が出ると言われる強靭な生命力をもったこの草は、旅人や流人たちの身体を癒し、疲れた心を支えてくれる薬草の星のような存在だったのです。
島の恵み、明日葉料理の思い出
実は私、20代のころに八丈島を訪れたことがあります。
そのとき、現地の民宿でいただいたのが「明日葉の天ぷら」と「明日葉入りの卵焼き」。
はじめて食べた明日葉は、ほんの少し苦みがありましたが、噛むほどに、青々しい香りとほのかな甘みが口の中に広がって、身体の芯までスッと整っていくような感覚でした。
とくに天ぷらは、サクッと揚がった衣の中から明日葉の香りがふわっと広がり、ほんのりとした苦味がクセになる味。
あのときの味と感覚は、今でもしっかり記憶に残っています。
私たちは、日々の生活の中で、こんな自然の力にもっと触れるべきなのかもしれません。
タロットの《星》と、明日葉のシンボリズム
和ハーブタロットの《The Star × 明日葉》のカードには、静かに水を注ぐ女性の姿が描かれています。
彼女は星を見上げるのではなく、大地に水を注ぐことに意識を向けています。
それは、「希望」とは天から降ってくるものではなく、自分の手で育てていくものだというメッセージにも見えます。
明日葉は、たとえ摘まれても、また芽を出す。
それは「失敗しても、またやり直せる」「止まっても、また歩き出せる」という自然からの贈りもののようです。
そして、星は、目には見えないけれど確かにそこにある「道しるべ」。
明日葉は、目に見える形で再生と成長を教えてくれる「いのちの星」。
このカードが教えてくれるのは、
「絶望の中にあっても、未来への灯火は必ずある」
「その灯火は、あなたの中にすでにある」
という、静かで力強いメッセージなのかもしれません。
希望は、小さな葉から
人は時に、大きな希望を見つけられずに苦しみます。
だけど、本当の希望とは、星のように遠くで輝くものではなく、自分の中にある小さな芽に気づくことから始まるのかもしれません。
それは、明日葉のような、再生する力。
そして、八丈島の海を越えて、星を頼りにたどり着いた人々のように、進む道が見えなくても、「信じて進む」ことから生まれる未来なのです。
どうか今日のあなたが、ほんの少しでも明日を信じられますように。
このカードと明日葉が、そのお守りになりますように。
🌿明日葉のおいしい食べ方(簡単レシピ)
明日葉の天ぷら:さっと湯がいてから水気を取り、衣をつけてサクッと揚げる。苦味が和らぎ香ばしく。
明日葉の卵焼き:細かく刻んで卵と一緒に焼くだけで、青菜のような旨味と香り。
明日葉のスムージー:バナナと豆乳と一緒にミキサーで。クセがなく飲みやすいです。
使用カード
和ハーブタロット《17. The Star × 明日葉》
明日葉(あしたば):学名 Angelica keiskei
セリ科の多年草。強い再生力を持ち、古くから島民の食と薬の両面で親しまれてきた。
森と心を結ぶタロット時間 | ハーブと香りで読み解く心のタロット講座 ~癒しから仕事へ~をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。