古事記に登場する「因幡の白兎」の物語。
そこには、ガマ(蒲)が大切な役割を果たしています。
タロットカード《Six of Air × CATTAIL》の世界観とも重なる部分が多く、古代から伝わる知恵とカードのメッセージが響き合うようです。
物語のあらすじ
昔々、因幡の国(今の鳥取県あたり)に白いウサギがいました。
そのウサギは隠岐の島に住んでいましたが、因幡の国へ渡りたいと願っていました。
そこでウサギは、海を泳いで渡るのは大変だと考え、ワニ(古事記ではサメのこととも)をだまして橋にすることにしました。
「お前たちとウサギ、どちらが数が多いか数えてみよう。みんな並んでくれ」と言い、ワニたちを海に一列に並ばせ、その背中をぴょんぴょん飛びながら因幡へ渡ろうとしたのです。
ところが最後にウサギはつい口を滑らせて「だましたんだ」と言ってしまいます。
怒ったワニに皮をはいでしまわれ、ウサギは裸で痛みに苦しむことになります。
大国主命(おおくにぬしのみこと)との出会い
ちょうどその頃、大国主命(おおくにぬしのみこと)とその兄神たちが、美しい姫・八上比売のもとへ嫁入りを申し込む旅の途中でした。
傷ついた白ウサギを見つけた兄神たちは意地悪で「海水で洗って風に当たれ」と教えます。ウサギはそれを信じてさらに苦しんでしまいます。
そこへ遅れてやってきたのが大国主命。
彼は優しく「真水で洗い、蒲(ガマ)の花粉にくるまると良い」と教えました。
ウサギはその通りにするとすぐに元気を取り戻します。
その後
元気になった白ウサギは大国主命(おおくにぬしのみこと)に感謝し、こう告げました。
「八上比売(やがみひめ)は、兄神たちではなく、あなたを夫として選ぶでしょう」と。
その言葉どおり、大国主命は八上比売の心を得て、物語は次の展開へとつながっていきます。
🌿 ガマが果たした役割
この物語の鍵は、ウサギを癒した「ガマ」。
ガマの穂の綿毛は実際に止血や消炎の効果を持ち、生活や薬として古代から重宝されてきました。
「蒲団(ふとん)」や「座蒲団(ざぶとん)」という言葉も、もともとガマの綿毛を詰めた寝具や座具に由来します。
つまりガマは、傷を癒し、休息を与え、心身を支える植物として、日本人の暮らしと精神文化に根付いてきたのです。
Six of Air × CATTAIL とのつながり
Herbcrafter’s Tarot《Six of Air × Cattail》には、祈りの紙と羽根ペンが描かれ、仲間と意図を分かち合う光景が広がっています。
このカードが伝えるのは――
- 思い込みを問い直すこと
- 言葉にして祈りや意図を明確にすること
- そして仲間と支え合い、風にのせて願いを広げること
因幡の白兎が大国主命と出会い、ガマによって癒され再生したように、私たちもガマのような「浄化と再生の力」に触れることで、新しい視点を得られるのだと思います。
✅まとめ
「因幡の白兎」の物語は、ずるさへの戒めであると同時に、優しさの力、そしてガマという植物の癒しを伝えるお話です。
Six of Air × CATTAIL は、この神話に重なるように、“古い思い込みを手放し、言葉と祈りで未来を描き、仲間と意図を共有する” ことを私たちに促しています。
ガマが教えてくれる「癒しと再生の知恵」。
それは今を生きる私たちにとっても、心を支える大切なメッセージです。
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