ハーブの象徴的意味、神話、歴史、文化

修道院から受け継がれたハーブの知恵|ベネディクチンとローズチンキ

※このブログ記事でご紹介しているタロットカードの意味や解釈は、筆者自身の経験と直感に基づくものです。また、本ページ掲載のイラストはAI生成ツールにより作成したオリジナル作品です。

🍷 修道院から生まれた“ハーブの雫”

私たちがハーブティーやアロマで癒される、その原点をたどると、古い修道院にたどり着きます。

🏛 529年 ― 聖ベネディクトゥスの修道院

529年、ローマ教会の聖ベネディクトゥス(480〜547)は、イタリアのモンテ・カッシーノに修道院を創設しました。
修道士たちは「祈り(Ora)と労働(Labora)」を日課とし、畑を耕し、薬草や果実、パン、ワインを自給。
ハーブは暮らしの一部であり、祈りの一部でもありました。

やがて、彼らは薬草をアルコールに漬けてエキスを抽出する「生命維持の秘薬」を作るようになります。
この“修道院薬酒”の文化はヨーロッパ各地に広がり、ベネディクト会が生んだのが 「ベネディクチン」、カルトジオ会が生んだのが 「シャルトリューズ」 です。

ベネディクチンの誕生

1501年、フランス・ノルマンディー地方のベネディクト派修道院で、「長寿の秘酒」としてベネディクチンが誕生しました。
27種類ものハーブとスパイスが使われ、まるで液体のハーブガーデンのような香りを放つリキュールです。

フランス革命の混乱でレシピはいったん失われましたが、1863年、ワイン商アレクサンドル・ル・グランによって復元され、再び光を取り戻しました。
今もそのレシピは厳重に守られ、修道士たちの知恵と祈りが息づいています。

現代に受け継ぐ — ローズチンキ

ハーブをアルコールに浸して成分を抽出する「チンキ(ティンクチャー)」は、この修道院薬酒の流れをくむ、もっとも身近な“ハーブの雫”。
紅茶や白湯に数滴たらすだけで、植物の記憶が身体に染みわたります。

材料

  • 乾燥ローズペタル:大さじ2(オーガニック推奨)
  • ウォッカ(40度以上):100ml
  • 清潔なガラス瓶(遮光タイプが理想)

作り方

  1. 瓶にローズペタルを入れ、ウォッカを注ぐ(ハーブがしっかり浸かるまで)
  2. 蓋をして、直射日光の当たらない場所で2〜3週間おく
  3. 毎日軽く瓶を振る
  4. コーヒーフィルターなどで濾して、遮光瓶に保存

使い方

  • 紅茶に1〜2滴:華やかな香りが広がり、気持ちがほぐれる
  • 夜の白湯に1滴:深い呼吸とともに、安らぎが訪れる
  • スキンケアに:精製水で5倍に薄めて化粧水としても

小さなメッセージ

チンキを作るという行為は、ハーブの力を“取り込む”というより、
植物と自分の時間を重ねること
古の修道士たちがそうしたように、日々の中で静かに心を整える手仕事です。

ローズペタルのほかにも、ローズマリー、カモミール、レモンバームなど、お好きなハーブで作ってみてください。

まとめ

ベネディクチンが修道院で生まれてから1500年。
ハーブの知恵は、祈りの場から、私たちの日常のカップへと受け継がれています。
今日も、小さな瓶の中で、植物たちは静かに語りかけています。


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