歴と自然

丙午(ひのえうま)と子の刻(ねのこく)

※このブログ記事でご紹介しているタロットカードの意味や解釈は、筆者自身の経験と直感に基づくものです。また、本ページ掲載のイラストはAI生成ツールにより作成したオリジナル作品です。

昔の人が感じていた“時間”と“自然のリズム”

「丙午(ひのえうま)」とか「子の刻(ねのこく)」という言葉を聞いたことはありませんか?

占いや昔話の中に出てくるような、不思議な響きのある言葉。
実はこれ、昔の日本人が“時間”や“季節”を表すために使っていた暦(こよみ)の言葉なんです。

🔥 丙午(ひのえうま)とは?

「丙午(ひのえうま)」は、十干(じっかん)十二支(じゅうにし)を組み合わせた「六十干支(ろくじっかんし)」のひとつ。
「丙(ひのえ)」は五行で“火の陽”、「午(うま)」もまた“火”の性質を持つ干支です。

つまり「火×火」。
エネルギーの強い組み合わせです。

昔の人は「丙午の年は火の勢いが強い」と考え、「気が強い」「情熱的」といった印象を重ねました。
ですが本来、それは“怖い”という意味ではなく、太陽のようにまっすぐで、情熱を持って生きる年の象徴だったのです。

自然のエネルギーが満ちる「真夏の太陽」のような日。
それを“恐れ”ではなく“力”として感じ取っていた昔の人たちの感性に、私はいつも心を打たれます。

🌙 子の刻(ねのこく)とは?

昔の日本では、時計の代わりに1日を12の「刻(こく)」に分けていました。
それが「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)…」という十二支のリズムです。

「子の刻」は夜の23時から1時ごろ。
世界が静まり返り、月だけが空に輝く時間。

この時間は、陰(夜)から陽(朝)へと移り変わる“はじまりの刻”とされていました。
だから、「子の刻に生まれた人は、直感が鋭く、深くものを感じる」とも言われます。

夜の静けさの中で芽吹くもの。
それは、闇の中から光を見つけるような、繊細で強いエネルギーなのです。

🌿 昔の人にとって「時間」は、自然とともに流れていた

現代のように時計で分刻みに動く生活ではなく、昔の人は太陽や月、風や鳥の声で“時”を感じていました。

朝は光とともに目覚め、
昼は大地の恵みを育て、
夕暮れには感謝の祈りを捧げる。

そんな一日の流れの中で、時間は「数字」ではなく「自然の呼吸」として存在していたのです。

🌕 暦(こよみ)は自然のリズムを映すカレンダー

やがて、人々は太陽と月の動きをもとに“暦”を作りました。
季節を知り、農作業の時期を決め、人生の節目を祝うための目安となる――
それが、太陰太陽暦(たいいんたいようれき)という仕組みです。

この太陰太陽暦の代表的なものが、奈良・平安時代のおよそ800年ものあいだ使われた 宣明暦(せんみょうれき)
太陽のめぐり(四季)と、月の満ち欠け(陰暦)の両方を組み合わせた、まさに「自然と共に生きるための暦」でした。

この暦の中には、「丙午」や「子の刻」といった自然のリズムが刻まれています。
昔の人にとって暦は、ただ日付を並べるものではなく、

「自然の中で自分がどんな流れの中にいるのか」を知るための“心の地図”だったのです。

💫 暦が教えてくれること

「丙午」も「子の刻」も、単なる昔の言葉ではなく、自然と人のリズムをつなぐ鍵です。

私たちは今、便利な時計やカレンダーの中で生きています。


でもときどき立ち止まって、

「今日はどんな風が吹いているかな」
「月はどんな形をしているかな」


と感じてみる。

そんな小さな時間の取り方が、心と体を“自然のリズム”に戻してくれるのかもしれません。

宣明暦の世界 ― 時間と方位、そして陰陽五行

宣明暦は、単に“日付の表”ではなく、時間・方位・干支・五行などの自然観をすべて組み込んだ暦法でした。
その考え方は、陰陽道(いんようどう)や風水、そして天体観測とも深く結びついていました。

干支(えと)= 丙午・癸巳 などの「日・年・方位のサイクル」

「丙午(ひのえうま)」のような表記は、十干(じっかん)十二支(じゅうにし)を組み合わせたものです。

🔹 十干(じっかん)

甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)
── 木・火・土・金・水 の五行と、陰陽(陽と陰)の組み合わせ。

🔹 十二支(じゅうにし)

子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)

十干と十二支を順に組み合わせると、60通り(六十干支)のサイクルになります。
たとえば、

  • 甲子(きのえね) → 新しい周期の始まり
  • 丙午(ひのえうま) → 火の性が強い日(気性が激しい年とされる)

暦には、こうした干支が「年」「月」「日」「時刻」ごとに記されていました。
つまり、暦を見るだけで「その日のエネルギー」を読むことができたのです。

🌙 子の刻・午の刻 = 一日の中の時間の区切り

現在の「時間(1時間ごと)」の概念がまだなかった時代、1日は 12の刻(とき) に分けられていました。
それが「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)…」です。

十二支現代の時刻(おおよそ)特徴
子の刻23時〜1時真夜中・日の変わり目
丑の刻1時〜3時夜更け、静寂の時間
寅の刻3時〜5時夜明け前、活動の始まり
卯の刻5時〜7時日の出の時間
午の刻11時〜13時太陽が最も高く昇る
酉の刻17時〜19時夕暮れ、日没

たとえば「子の刻に生まれた子」「午の刻に働く人」など、時間と人の性質を結びつける考え方もありました。

🧭 方位や運勢にも影響

暦には「干支」や「陰陽五行」に基づく吉方(きっぽう)・凶方(きょうほう)も記されていて、

  • どの方角に向かうと吉か
  • 結婚や移動、建築に良い日か

  • などを判断する目安にもなっていました。

つまり、宣明暦は単なる「日付表」ではなく、自然のリズムと人の営みを結びつける“宇宙のカレンダー” だったのです。

現代につながる知恵

今の私たちの生活では「丙午」や「子の刻」を使うことはなくなりましたが、実は「運勢」「吉日」「方位学」「四柱推命」「風水」などに、その考え方は今も残っています。

宣明暦の思想を知ることは、

「自然のサイクルと調和して生きる」
という昔の人の知恵を思い出すことでもあります。

おわりに

昔の人たちは、太陽と月、火と水、昼と夜――
すべての“めぐり”の中に、いのちのリズムを感じ取っていました。

暦は、自然とともに生きるための知恵。
そして「丙午」や「子の刻」は、その知恵を今に伝えてくれる言葉です。

今日の空や風の中にも、きっとあなたの“こよみ”が息づいています。


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