ハーブの象徴的意味、神話、歴史、文化

レモングラスとスウィートグラスを編む|香りがつなぐ日本のしめ縄と祈り

🌿イネ科の植物に宿る、祈りの力

スウィートグラス(Sweetgrass)とレモングラス(Lemongrass)。
どちらもイネ科の植物で、乾燥させたときにとてもいい香りがする――
それだけでもう、どこか心がほぐれるような共通点があります。

《Herbcrafter’s Tarot》の「Curandera of Earth × SWEETGRASS」では、スウィートグラスを三つ編みにしている女性の姿が描かれています。
このカードは、祈り・感謝・命のつながりをテーマにしており、植物を編むという行為が、「ありがとう」の気持ちを天に届ける祈りのかたちとして表現されています。

🍋ハーブ教室で出会ったレモングラスの“しめ縄飾り”

私がふと思い出したのは、以前ハーブ教室で体験した授業でした。
それは、レモングラスを使ってお正月飾りを作るというものでした。

長く伸びた葉を丁寧に束ねて、くるくると編んでいく。
まるで、しめ縄のように仕上がるその飾りは、
作っている間じゅう、レモングラスの爽やかな香りが立ち込め、とても清々しく、心の中がスーッと澄んでいくような気がしました。

🌾父が編んでいたしめ縄の記憶と、稲の香り

そのとき、もう一つの記憶がよみがえりました。

子どもの頃、年末になると、父がしめ縄づくりをしていたこと。
広げられた藁の束、両手で編み込んでいく姿。
独特の乾いた、でも安心感のあるあの稲の香り。

レモングラスの香りとは全然違うのに、“編む”という行為と植物の香りが、どこかで心をほっとさせる共通点を持っていたことに気づきました。

🧶スウィートグラスとの共通点

  • ・どちらも イネ科の植物
  • ・どちらも 乾燥させたときに香る
  • ・そして、何より――「編むことで祈りの形になる」という文化的な共通点

スウィートグラスは、北米先住民にとっての祈りの草。
しめ縄は、日本において 年神様を迎えるための結界
香りも歴史も違っても、“神聖なものを迎える”という気持ちが共通しているのです。

🌕香りと記憶、手の感覚がつなぐ祈り

私たちが植物を手で編むとき、そこには「形にできない気持ち」を託しているのだと思います。

  • ・誰かにありがとうと言いたい気持ち
  • ・新しい一年を迎える前の心の整え
  • ・懐かしい記憶にそっと触れるような感覚

そして、香りはその想いをさらに深く、記憶に刻んでくれるのです。

🌸編むという祈りのかたち

・スウィートグラスを三つ編みにする姿。
・レモングラスを束ねてしめ縄を作った記憶。
・そして父が編んだ、本物のしめ縄の匂い。

どれも「香り」と「手仕事」が交わるところに、祈りが宿っていることを教えてくれました。

植物を編むとき、私たちはきっと、目に見えないものに向かって“ありがとう”を届けているのだと思います。


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