【七十二候】雉始雊とは 1月16日頃~1月20日頃
― 音・気配の立ち上がりへ ―
小寒の末候、雉始雊(きじはじめてなく)。
冬の静けさのなかで、雉が鳴き始める頃とされています。
まだ春の景色は見えません。
草木も芽吹いてはいないし、空気も冷たいまま。
それでも、これまでとは違う「何か」が、確かに混じりはじめる時期です。
それは、はっきりとした変化ではなく、音や気配として立ち上がってくる変化。
静寂が破られる、というよりも、静けさの質が、そっと変わる。
雉の声は、その最初の合図のように響きます。
季節に重なる伝統色「薄葡萄色」
この候に重ねたい色は、薄葡萄色(うすぶどういろ)。
紫を含んだ、淡くくすんだ色合いは、はっきりと主張することはありません。
けれど、どこか奥行きがあり、一色では終わらない余韻を感じさせます。
薄葡萄色は、冬の静けさの中に、わずかな振動が生まれた瞬間の色。
声が響く前の、喉の奥の動き。
音になる直前の、空気の張り。
そうした「まだ形にならない変化」を受け止めてくれます。
雉の声が告げるもの
雉が鳴くのは、縄張りや存在を知らせるため。
けれどこの時期の鳴き声は、外へ向かう強さというよりも、内側にたまっていたものが、自然に外へ滲み出るような印象があります。
長く閉じていた季節が、少しだけゆるみはじめた合図。
何かを始めなくてもいい。
答えを出さなくてもいい。
ただ、音に気づくこと。
空気の変化に耳を澄ませること。
それだけで、季節と足並みはそろっていきます。
音を受け取る、ということ
雉始雊の頃は、何かを「動かす」よりも、聞く・感じ取ることに向いた時間です。
外の音だけでなく、自分の中に浮かぶ、かすかな違和感やひらめきも、この時期なら、無理なく受け取れます。
薄葡萄色のように、はっきりしないまま、曖昧なまま、その気配を置いておく。
やがて必要なときに、自然と輪郭が現れてくるはずです。
音や気配に寄り添う香り・ハーブ
― 雉始雊(きじはじめてなく)の養生 ―
雉始雊の頃は、体や心に強い変化が現れる季節ではありません。
けれど、外の音にふと気づいたり、自分の内側の小さな動きが気になったりそんな感覚が増えてくる時期です。
この候に合う香りやハーブは、何かを変えようとするものではなく、今ある気配を、そのまま受け止めるためのもの。
ハーブティー|「静けさを濁さないブレンド」
リンデン
- 余計な緊張をほどき、感覚をやわらかくする
- 音や空気を、穏やかに受け取れる状態へ
レモンバーム(少量)
- 心のざわめきを整える
- 思考を止めず、流れをゆるやかにする
ローズヒップ(ごく控えめに)
- 内側の巡りを支える
- 味にわずかな輪郭を与える程度に
口に含むと、ハーブの香りと、ほのかな甘みが広がります。
強さはありませんが、湯気と一緒に、ゆっくりほどけていく味わい。
飲み終えたあと、体の中に何も残らないようでいて、呼吸だけが少し深くなる。
それくらいの距離感が、雉始雊の季節には、ちょうどいいのです。
アロマ|「音の前に立ち上がる空気のために」
◎ フランキンセンス
- 呼吸を深くし、内側に静けさをつくる
- 音が入ってくる余白を整える
◎ クラリセージ(微量)
- 感覚の揺れを受け止める
- 直感が働く前段階を支える
◎ ローズウッド or ホーウッド
- 強さではなく、温度を与える香り
- 冬から春へ向かう移行期にやさしい
おすすめの使い方
- ティッシュに1滴垂らして、近くに置く
- 深呼吸しながら香りを楽しむ
香りを感じ取ろうとするより、気づいたら香っていたくらいが理想です。
雉始雊の香りと暮らし
この時期に必要なのは、感覚のチューニング。
音に気づく。
気配を感じる。
香りやハーブは、そのための背景音のような存在でいてくれます。
薄葡萄色の空気の中で、静かに耳を澄ませる時間に、そっと添えてみてください。
森と心を結ぶタロット時間 | ハーブと香りで読み解く心のタロット講座 ~癒しから仕事へ~をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

