柑橘の香りを嫌がったあの日
私がこのテーマに出会ったきっかけは、ある夜のことでした。
体調を崩して元気のなかった子どもに、少しでも気分が上向くようにと柑橘系の精油を焚いたんです。
すると、
「今、柑橘系の香りムリ」
そう言われました。
“子どもはみんな柑橘が好き”そんな思い込みがあった私は、少し驚きました。
でも、代わりに「どの香りなら大丈夫?」と聞いてみると、ユーカリやサイプレスなどのすっきりとした香りを選んだのです。
香りが教えてくれた「本当の気持ち」
その瞬間、はっとしました。
――この子は今、ゆっくり呼吸をしたいんだ。
心を落ち着けたいんだ。
香りは、言葉よりも正直にそのときの心の状態を映していたのです。
香りで見えてくる子どもの“今”
それ以来、私は香りを通して子どもの“今”を感じるようになりました。
すると、こんな話も耳にしました。
「うちの子ね、精油が好きで、よくこっそり嗅いでるの。“今日はこの香りの気分”って、その日の気持ちで選んでるみたい。見ていると、『今日は元気だな』『ちょっと疲れてるのかな』って、香りでなんとなくわかるようになったのよ。」
この二つの出来事から私は確信しました。
香りには子どもの心を映し出す力がある。
そしてその香りは、言葉にならない気持ちをそっと教えてくれる。
言葉にならない気持ちとどう向き合うか
子どもは、自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。
何が嫌なのか、どうしてモヤモヤするのか、自分でもわからないことがたくさんあります。
でも、香りを選ぶその手には、ちゃんと「今の自分」が表れています。
「どうしたの?」の代わりにできること
「どうしたの?」と聞く代わりに、「今日はどの香りがいい?」と聞いてみる。
それだけで、子どもの心との距離が少しやわらぐことがあります。
「香りでわかる 子どもの心の翻訳書」を始めた理由
そしてこの経験をきっかけに始めたのが、「香りでわかる 子どもの心の翻訳書」です。
このシリーズでは子どもが選ぶ香りをヒントに、そのときの心の状態をやさしく言葉にしていきます。
正解を出すためではなく、何かを変えるためでもなく、ただ「そう感じているんだね」と受け取るために。
子どものありのままを感じるということ
子どもを整えるのではなく、その子がもともと持っているリズムを感じること。
その時間が、子どもにとってもママにとっても、少しあたたかいものになりますように。
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